Not ready to make nice / The Dixie Chicks

こんば、ネジ屋です。

早速、競馬も数学もプログラムも関係ない話題を一つ。

 

確か海外版のど自慢みたいな番組でシロウトのチャンネーが歌ってて、

この曲を知ったんだと思います。それが表題の歌。

 

The Dixie Chicksは1989年テキサス州で結成された3人組バンド(結成当時は4人)で

2003年にはボーカルのナタリー・メインズが、当時アメリカ大統領のブッシュに対して、

”彼がテキサス出身であることを、恥ずかしく思う”と発言し、逆に批判されました。

そんな批判に対するアンサーソングだったのが、この"Not ready to make nice"

訳すなら、”いい人を装う気なんかないよ”という題でしょうか。

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とにかくこの曲の聞き所は、2番Aメロです。

シンプルだけでも、感情が畳み込まれた歌詞とリズムに対して、

バックのストリングスが絶妙に絡んできて、静かな怒りを表現しています。

 

その部分を軽く訳してみましょう。

I know you said
Can't you just get over it
It turned my whole world around
And I kind of like it

わかってるわよ

”そんなのただ乗り越えたらいいじゃないの”って

そのせいで、世界は全く持って変わってしまった

まぁ、面白い経験かもしれないけどね


I made my bed and I sleep like a baby
With no regrets and I don't mind sayin'
It's a sad sad story when a mother will teach her
Daughter that she ought to hate a perfect strange

ベッドは整えたし、赤ちゃんのように寝るの

だって何の後悔もしてないし、はっきり言うことに遠慮なんてないし

悲しい話じゃないの、母親が子供に対して

”知らない人は皆敵だと思いなさいよ”と教えるなんて


And how in the world can the words that I said
Send somebody so over the edge
That they'd write me a letter
Sayin' that I better shut up and sing
Or my life will be over

私の言った言葉が、誰かを追い詰めたらしく、

手紙を送ってきたの。おかしな話よね

 その手紙には、”黙って歌えよ、さもなければ死ぬよ”

って書いてあったわ

ここで好きなのは、盛り上がる直前の直前”And I kind of like it”という表現です。

それからは曲も盛り上がってくるし、めっちゃ怒っているくせに

あえて皮肉ぽい"kind of (=ちょっと)"、"like it(=イイね!≠良かった!好き!)"という言葉から始まります。

盛り上がる直前に鼻で”…ッフ”って笑ってる感じです。

 

ネジ屋はこの曲が大好きなんですが、イマイチThe Dixie Chicksのファンにはなりきれません。

というのも、このナタリー・メインズは、オリジナルメンバーじゃないんです。

もともとローラ・リンチというボーカルがいたのですが、クビになり、

当時プロデューサーだったロイド・メインズの娘が入りました。

 

Wikipediaによると、この決断の黒幕は残り2人の姉妹らしく、

ローラよりも15歳も若いナタリーを入れ、バンドのイメージを変えたかったそうです。

ローラこの2人の決断を支持しているとの記述もありましたが、

一方でローラは”朝に2人が急にやってきて、「新しい方向性が必要なの」と言われたの”と語り

半年間はずっと泣いていたらしいです。

 

見方によれば、若い女の子がバンドに入って、売れて、業界人ぽくなり、

ちょっと政治的な発言をかましたら、炎上し、それを曲にしたら売れるかもと、

プロデューサーにそそのかされて、ヒットになった曲、とも疑ってしまいます。

ネジ屋も結局、The Dixie Chicksの曲は、これしか知らないんですよね。

 

そのことについて、ブッシュはこう述べています(意訳)。

”彼女らは言いたいことを言っただけだよ。逆にファンの人が、その言葉のせいでレコードを買いたくないと言ったとしても、それは自由だと思うんだ。この通り、自由ってのは二つの面があってさ。個人的には彼女らが何を発言しても気にしてはないよ。だって僕はアメリカにとって一番良いと思うことをしたんだからさ。歌手とかハリウッドスターが何を言おうと、それでいいんだよ。だって、それがアメリカの良いところなんだからさ。それは、現在のイラクと全く逆だろう?”

まさに”U・S・A!U・S・A!”と言いたくなるような回答。

政治的な話一切抜きにしたら、ブッシュのほうが一枚上手な気がします。

 

ともあれ、全てパッケージにして凄く良く出来た曲(+話)で、大好きな曲の一つです。

 

如何でしたか?

僕は、インギー様のバンドからインギー以外全員辞めて結成したバンド”Ark”

そのなかでも、”Burn the Sun”というアルバムが大好きです。